経営工学徒の備忘録

~日々の大学生活や留学について~

社会心理学(2)

Introduction

レヴィンの社会行動図式

場の理論

B=f(P,E)

それぞれ記号の意味は以下の通りです。

  • B:人々がその場で取る行動
  • P:その場に置かれた個人の特性
  • E:その場を形成する環境や状況

つまり、この式は人間の行動は個人の性格とその周辺の環境によって決定されることを示しています。

適応

その個人の生き残りに有利な状況。

対人認知

他者を知り、その特徴や能力を解釈・推測すること。

プロセスとしては以下のようなものがあります。

シュナイダーの6段階
  1. 注意:まずは存在を認知する。
  2. 速写判断:外見や行動からおおまかに判断。感じがいいor悪い、など。
  3. 原因帰属:その行動が何によってもたらされているか、ということを推測。
  4. 特性推測:行動原因の推測結果から、この人はこういう人だ、という結論を導き出す。
  5. 印象形成:部分的推測を組み合わせ、その人の全体的イメージを作り上げる。
  6. 行動予測:次にその人が特定の状況に置かれたときに、どう行動するのか予測。

原因帰属のバイアス

人間は、成功体験は内的要因(自分の努力、能力など)に帰属させ、失敗体験は外的要因(運、コンディションなど)に帰属させるという、非常に都合のいい認知バイアスを持っています。

日本人の場合はこれが少し異なります。

日本人が自己評価をすると、成功体験は外的要因(~さんのおかげ、など)に帰属し、失敗体験は内的要因(自分の努力不足など)に帰属すると多くの場合答えます。

しかしながら、「他者はあなたのことをどう思っているか?」という質問に置き換えると、多くの日本人も成功体験は内的に、失敗体験は外的に帰属していると答えるようになります。つまり日本人は、他者を通じてこの認知バイアスを得ているのです。

アッシュの印象形成理論

他者に対する個人のイメージとしての情報は、決して一つ一つが等価なものではなく、また認知バイアスがかかった物になっています。

例えば、人間の性格として、印象形成を大きく左右する「中心的特性」と、そうした影響を持たない「周辺的特性」が存在していることはよく知られていることです。また、情報が提示される順番も重要な要素となっています。

ヒューリスティック処理

人間は特定の個人に対して、時間をかけてじっくりとその人を判断するということをしていません。むしろ、一定の単純化された決まりの中で、相手を決めつけていることが多いのです。これは大量の情報をさばき社会で生きていくために必要な能力であり、第一印象が大事だといわれる所以でもあります。