経営工学徒の備忘録

~日々の大学生活や留学について~

国際金融論(2)

貨幣について

なぜ貨幣が価値を持つのか?

A.中央銀行によって発行され保証を伴うものであるから。

特に現金は、取引に容易に用いることができ便利である。

マネー・サプライの調整

公定歩合

ー民間銀行に対する貸出金利コールレート)や預金準備率を操作する手法。

公開市場操作

国債や手形などの資産の売却・買入。

日本銀行が家計や企業から国債を買った場合、家計や企業は得たお金を一定の割合(1/1+β)で預金し、一定の割合(β/1+β)で現金として所持する。

預金を受けた民間銀行は、その預金を一定の割合(α)で日本銀行に渡し、残った分(1-α)をまた家計や企業に渡す。

これがn回繰り返されると、最終的には

預金の合計が、1/α+β

現金の合計が、β/α+βとなる。

合計は、1+β/α+βであり、1より大きい。これを貨幣乗数という。

実質貨幣ストック

財の単位で貨幣のストックを測る指標です。

(名目)貨幣ストックがどれだけ上昇していても、その分物価が上がっていたら意味ありませんよね。

実質貨幣ストック=(名目)貨幣ストック/物価水準

これを貨幣の実質価値として表すと、

貨幣の実質価値=1/物価水準

と表すことができます。

貨幣市場

ここでいう貨幣市場は、いくつかの仮定の下で成り立っています。

  • 「貨幣」は中央銀行によって発行される現金のみ。
  • 「債権」はお金の貸し借りによって取引され、利子が付く。

貨幣の供給

貨幣の供給者は政府であり、これを変化させることを金融政策といいます。

貨幣の需要

貨幣の需要を決定するのは、民間の家計や企業です。資産総額は前期までに決定されているため、貨幣と債権をどれぐらいの割合で持っておくか、ということが重要になります。

貨幣の需要は、以下の三点に影響されます。

  1. 財・サービスの取引量:取引量が多いほど、流動性の高い貨幣で持っておきたくなりますよね。
  2. 利子率(i):利子率が高ければ、債権として持っておいた方がより利子がついてお得です。
  3. 貨幣需要と物価水準:これらは正比例の関係にあります。

利子率

利子率には、以下の二種類があります。証券会社が報告する利子率は名目利子率です。

  • 名目利子率(i):証券1円分につきもらえる利子。貨幣の単位ではかられている。
  • 実質利子率(r):元手となった一単位の財に加えて何単位余計に財を買えるか。財の単位ではかられている。

名目利子率と、実質利子率の間には、物価指数Pを用いて以下のような関係があります。

1+r=(1+i)Pt/Pt+1

インフレ率(π=Pt+1-Pt/Pt)を用いると、

r=i-πe

と書くことができます。(πeは予想インフレ率)

これをフィッシャー方程式といいます。