生化学(3)
等電点
タンパク質の電荷が0になるpHを、等電点といい、pIで表します。
何に使えるのか?
例えば、特定のアミノ酸だけを混合溶液から抽出したいときに、pHを操作することによって沈殿させることができます。
タンパク質の構造
~ポリペプチド鎖のまがりかた~
タンパク自体は、ポリペプチドということができます。極端に短いものはペプチドです。構造には主に以下の4種類があります。
- 一次構造:アミノ酸配列。特定方法は以下の二種類です。
- 二次構造:ポリペプチド鎖上の近い部分で形成される折れ曲がり構造。主に以下の三種類があります。
- α-ヘリックス
- β-シート(波型・平行β波型・逆平行β波型)
- ターン
- 三次構造:離れたアミノ酸残基同士の相互作用で形成される立体構造。
- 四次構造:サブユニットの会合。
二次構造
主鎖のみで決まり、側鎖はほとんど関与しません。
ただし、二次構造の取りやすさは、側鎖に影響されます。
また、CONHのペプチド結合部分を、ペプチドボンドといいます。
α-ヘリックス
右巻きらせん構造です。以下のような特徴を持ちます。
- 18残基で5回転します。つまり、3.6残基で1回転です。
- COと4つ先のNHが直鎖上の水素結合をします。
- 球状タンパクとして、最大で20のアミノ酸です。平均は11残基です。
- Gly,Proは球状構造を取りにくいです。
- Glu,Leu,Md,Pheは逆に球状構造を取りやすいかもしれません。
β-波型
下がC末端で上がN末端など、向きが同じか違うかによって平行・逆平行が分類されます。
- COとNHの水素結合
- 球状タンパクでアミノ酸は10以下。だいたい5~8ぐらいです。
ターン構造
- 3~4のアミノ酸で構成されます。
- COとNHの水素結合です。
- GlyやProがよく出てきます。
三次構造
・イオン結合
・側鎖間および側鎖と主査の間の水素結合
・非極性側鎖間の疎水結合
・S-Sのジスルフィド結合
疎水結合とは、水を嫌う性質の結合です。
核酸
核酸の役割
1.現在生きるために重要な成分(ATPやGTPなど)
ATPは典型的な核酸であり、それ以外の何物でもありません。
ATP➝ADP+Pi+エネルギー
となります。
2.情報
現在生きるために、DNAを複製する情報と、子孫に伝える情報をつかさどります。肝臓、腎臓、どこからとってきてもDNAが同じになるのはこのためですし、親子で顔が似ているのもこのためです。
核酸の成分と構成
ヌクレオシドは、糖と塩基(プリン,ピリミジン)によって構成されています。
糖は、リボース(RNA)とデオキシリボース(DNA)からなります。
DNAとRNA
遺伝子は多くの場合、本体がRNAでした。近年、本体がRNAのものも発見されています。
DNAからRNAを作ることを転写といい、その逆を行うウイルスを逆転写といいます。
RNAは極めて不安定です。
昔、腎臓からレニンの一時配列を決める作業が盛んになったことがあるそうです。
DNAは極めて安定です。
キレート材を入れると、もう酵素は働きませんし、二本鎖だからです。
抗体
抗体IgGには、ライトチェーンとヘビーチェーンによってYのような形が形成されています。
B-Cellには交代が記憶され、同じものが入ってきたときに瞬時に対応されます。
交代に関して、トネガリススム先生がノーベル賞を受賞されました。
本庶先生と競っていたようです。