経営工学徒の備忘録

~日々の大学生活や留学について~

進化ゲーム理論(3)(前半)

社会ダーウィニズム

ハーバート・スペンサーの考え

  • 適応度は富という絶対的尺度ではかられる。
  • 進化とは進歩であり、方向性がある。
  • 優れた人種は存在し、人間には序列がある。

1861年の南北戦争後、アメリカで流行しました。

なぜなら、北部の資本主義・格差社会を正当化できるためです。(弱肉強食)

ウィリアム・サムナーの考え

「適者生存の法則は、人間の作り出したものではないし、人間が廃止することの出来るものでもない。われわれがこの法則に干渉すれば、府適者生存をもたらすだけである。」

これが、ネイティブアメリカン迫害につながりました。

今でもニューメキシコ州の三田下などに、ネイティブアメリカンの保留地は残っています。

優生学

社会ダーウィニズムは、単純に格差を正当化し人間に序列をつけるだけ(放任)でしたが、優生学ではここに悪性の遺伝形質は淘汰すべきだ(選択)という考えが入ってきます。

これに伴って、米国では断種法という遺伝病患者に対し強制的に不妊手術を施す法律が、1965年の公民権運動の流れを受けるまで施行されていました。

ドイツでも、ナチスユダヤ人の絶滅を企て、長身・金髪・青目のアーリア人を支配者民族として拡大する生命の泉(レーベンスボルン)計画などに利用されました。

日本でも、優生保護法(1948)として、優生上の見地から不良な子孫の出征を防止するために、ライ病患者などが不妊手術を受けていました。

遺伝的浮動

6500万年前に恐竜が絶滅し、その後哺乳類が映画を極めています。では、本当に哺乳類は環境に適応した優れた種だといえるのでしょうか。

ライトの考えによると、適応度に差がなくても個体数が変動し、淘汰も起こります。

固定という考え方では、確率的揺らぎの結果、ほかの者の頻度がゼロになると考えます。

中立説

木村資生によると、分子レベルで起こっている遺伝子上の変化の多くは適応度にあまり関係のない変異であるとのことです。現在は、ミクロレベルの進化は中立進化、マクロレベルの進化は自然選択による適応だとみなされています。

ミトコンドリア・イブ仮説

ミトコンドリアとはもともとバクテリアであり、20億年前から我々の細胞に入って共生してきました。母親からのみ受け継ぐという特性を持っています。したがって、このミトコンドリアDNAをたどっていくと、人類の祖先、アフリカの女性に行きつくことが分かります。また、ここから5~600万年前にホモ(ヒト)属が分岐したこと、十数万年前にホモサピエンスが生まれたことも分かります。