ファイナンス(6)(後半)
最適なポートフォリオ
ポートフォリオの期待収益率
ポートフォリオ:複数の投資対象の組み合わせ
銘柄iへの投資重み:wi = 銘柄iの価値 / ポートフォリオの総価値
収益率:Rp=w1R1+w2R2+...+wnRn
期待収益率:E[Rp]=E[Σn~i=1 wiRi] = Σn~i=1 wiE[Ri]
Rは一つ一つの株の収益率のこと。
共分散:収益率RiとRjの間に定義される。Cov[Ri,Rj] = E [(Ri - E[Ri])(Rj - E[Rj])
- 共分散が正:収益率が平均よりも同時に高くなったり低くなったりする。(連動する)
- 共分散が負:収益率が逆方向に動く傾向がある。
Cov[Ri,Rj]:共分散の推定値。m-1で割ることがポイント。
Corr[Ri,Rj]:相関係数。共分散を、各々の標準偏差で割ったもの。
ポートフォリオの分散:Var 𝑅𝑃 = Σ 𝑖=1 𝑛dΣ 𝑗=1 𝑛𝑤𝑖𝑤𝑗Cov[𝑅𝑖,𝑅𝑗]
2銘柄ポートフォリオの分散:
Var 𝑅𝑃
= 𝑤1 2Var 𝑅1 + 𝑤2 2Var 𝑅2 + 2𝑤1𝑤2Cov 𝑅𝑖,𝑅𝑗
= 𝑤1 2SD 𝑅1 2 + 𝑤2 2SD 𝑅2 2 + 2𝑤1𝑤2Corr 𝑅𝑖,𝑅𝑗 SD 𝑅1 SD[𝑅2]
等重みポートフォリオの分散では、分散の平均(個別リスク)と共分散の平均(系統的リスク)の二つに分解することができる。
効率的フロンティアと平均・分散モデル
三銘柄のポートフォリオは領域としてあらわされる。
効率的フロンティアとは、効率的なポートフォリオの集合、つまりポートフォリオの領域の左上境界部分のことである。
マーコビッツの平均・分散モデルでは、以下の方針で最適なポートフォリオを求める。
- 収益率の分散(リスク)の最小化
- 期待収益率(収益性)の制約条件
つまりこれによって、期待収益率をある程度確保しつつ最適な重みづけを求めるのである。1990年にこれでノーベル経済学賞が受賞されている。