進化ゲーム論(2)
Varitation(変異)
突然変異によって、DNAが変化する。
地球上のアミノ酸は全てL型(左旋回)であるが、もしかしたら宇宙のどこかにはD型を持つ生物が跋扈する世界があるかもしれない・・・。
性淘汰
なぜ鹿のオスは立派な角を持つのか、なぜクジャクの羽はオスだけゴージャスなのか、疑問に思ったことはありませんか?
ダーウィンによると、これはメスがオスを選択するため、
生存に関連した繁殖において、より淘汰されないための工夫であると言えます。
また、これを説明する仮説として以下の二つが挙げられます。
- ランナウェイ仮説:もし好みのタイプが遺伝するならば、特定の要素を持つオスばかりが加速度的にモテるよね、という仮説。
- ハンディキャップ仮説:あえて生存に不必要な部分を持つことで、別の所に労力使っててスゲーと思わせるという理論。
性があることで、組み合わせによりバリエーション豊かな遺伝子を残すことができ、一つのウイルスなどで全滅してしまう、といった事を防げます。これは不思議の国のアリスから「赤の女王仮説」とも呼ばれます。
ダーウィンの進化論
自然選択において、以下の四つが重要になってきます。
- 変異:集団に変異がある。
- 遺伝:「変異」は親から子に伝えられる。
- 生存競争:環境の収容力<繁殖力
- 適者生存:子孫の数は、どのくらい環境に適応しているかに依存する。
遺伝的アルゴリズム
進化を利用した遺伝的アルゴリズムを用いれば、問題が定式化できないような課題に対して、少しずつ改善していくということが可能になります。
例えば、700系からN700系を作る過程や、以下のようなマリオの行動を改善していくことに応用できます。
進化論に関する注意点
進化=進歩ではない!
サメやゴキブリ、カブトガニなど、何億年も姿を変えずに生存し続けている生物がいます。このことからわかるように、進化することが必ずしも生物に進歩をもたらすわけではないのです。
進化に計画性はない
人間は現段階で究極に進化した生物だと思っていませんか?人間は盲点や盲腸など、必要のないのに持っている無駄な部分がたくさんあります。また、酸欠になりやすい鎌状赤血球を、マラリアに対する抗体として持ってしまうという事例もあります。
いまだ解明されていない謎がある
カンブリア紀に一気に現在の「門」が全て出現するなど、ダーウィンが提唱した枝分かれする進化論では説明できないのではないか?という問題も散見されます。また、宗教上の理由などにより、現代でも進化論は誤っていると考える人もいます。
社会や企業における進化論
企業経営も進化論で説明できることがあります。
例えば、知識を言語化したりルーティン化したりすることで、幅広く伝達することは遺伝に似ていますし、市場の原理やアイデアの採用などは淘汰のメカニズムに似ています。また、分業により各々が専門性を高めた知識を持ち寄ることで、新たな知識を創造する活動は、Variationであると言えます。