ファイナンス(3)
ファイナンスの意思決定
賞味現在価値(NPV)法
PV=ΣCn/(1+r)^n=C0+C1/(1+r)+C2/(1+r)^2+...+CN/(1+r)^N
これが正になるとよい。
永久債ならPV=c/r
内部収益率(IRR)法
IRR(NPV=0となる割引率)が資本コスト(割引率:r)を上回るプロジェクトを採択する。
利点
- 資本コストが分からなくても、内部収益率は計算できる。
欠点
- 費用が後の方に出てくると、解釈がうまくいかない。後の方でマイナスが出る。
- IRRが複数存在するかも。
- IRRがそもそも存在しないかも。
回収期間法
回収期間が推定値以下のプロジェクトを採択。
例:5年で回収したい!と思って7年かかるようでは不採択。
利点
- 簡単&これで選ぶとNPVがたいてい正になる。
欠点
- 資本コスト(ずっとその収益を得られるのか)と時間価値(時間によってお金の価値は変わる)を無視。
- 回収期間後のCFを無視(期間後にめっちゃ儲かるかも?)
- 基準があいまい(妥当な回収期間がわからん)
相互背反的投資
数あるプロジェクトの中から一つだけ選択する。
- NPV法・・・一番高いものを選んでおけば間違いない。
- IRR法・・・「投資の規模」「CF発生時点」「リスク」が異なると、IRRの比較に意味はない。
資源の制約を伴うプロジェクト選択
企業が事項出来るプロジェクトには限界がありますよね。
収益性指数法
賞味現在価値/消費資源量・・・以下に少ない消費資源で高い利益を上げるか。
△最適な組み合わせが得られるとは限らない➝数理最適化で解決!
△複数の資源制約に対処できない。
資本予算計画
代替的プロジェクトを分析し、採択すべきプロジェクトを決めるプロセス。
増分利益
意思決定による企業利益の増加量
負債なし(アンレバード)当期純利益
EBIT*(1-税率)
機会費用
代替的な最善の利用がもたらす価値
(プロジェクトの)外部性
他の事業活動に与える効果。新製品が既存製品の売り上げを奪うカニバリズムなど。
サンクコスト(埋没費用)
企業がすでに支払い義務を負っており、回収不可能なコスト。
これに関連して、コンコルド効果というものがあります。
コンコルド効果:過去に開発されていた音速飛行機。多額の投資がされたことから、引くに引けない状況が生み出され、ずるずるの赤字に・・・。
フリーキャッシュフロー
プロジェクトによる企業の利用可能な現金の増加。
実際に減価償却費などは現金として減っているわけではありませんし、レジのお釣りのようにその場で使えるお金がいくらあるのか、ということを把握するのはとても大切なのです。
賞味運転資本(NWC)
=流動資産-流動負債
=(現金必要量+たな卸資産+売掛金)-買掛金
売掛、買掛などは、実際に現金が動くまでにタイムラグがあります。NWCをもって事業を続けていくのにあたり必要な資金を計算します。
プロジェクトの賞味現在価値
そのプロジェクトを採択し、実際に投資すべきか、ということはこのプロジェクトの賞味現在価値から求めることができます。
前述のフリーキャッシュフロー(負債なし当期純利益+減価償却費-資本支出-賞味運転資本増分)を計算してみましょう。
また、プロジェクトの分析には以下のような方法もあります。
損益分岐点分析
各パラメータごとに損益分岐点を計算する。
感度分析
各パラメータの変化によるNPVの変化量を計算する。
この場合の変化させるパラメータの数は一つです。
シナリオ分析
複数のパラメータが同時に変化する場合のNPVへの影響を検証する。