経営工学徒の備忘録

~日々の大学生活や留学について~

ファイナンス(7)(前半)

資本資産評価モデル

無リスク証券

ポートフォリオに無リスク証券を組み入れることを考える。

割合xでリスク証券に、1-xで無リスク証券に投資するとしたとき、

期待値:E[R]=(1-x)rf + xE[Rp] = rf + x(E[Rp] - rf)

標準偏差:SD 𝑅 = √(1 − 𝑥)^2*Var[𝑟𝑓] + 𝑥^2*Var [𝑅𝑃] + 2 (1 − 𝑥) *𝑥*Cov[𝑟𝑓,𝑅𝑃] = √𝑥^2*Var [𝑅𝑃] = 𝑥*SD [𝑅𝑃] 

下線部:無リスクのものは分散と共分散がになる)

となる。これは、無リスク証券(x=0)とポートフォリオP(x=1)を通る直線。

株式の信用買いレバレッジ:無リスク証券を空売りして株式に投資する方法。リスクは大きいが期待収益率は高くなる。

接点ポートフォリオ無リスク証券を通る直線と、(リスク証券の)効率的フロンティアの接点を指す。この点は無リスク証券と組み合わせるときの最良のポートフォリオであり、任意のボラリティ水準に対して最も高い期待収益率となる。

また、シャープ比率(=超過収益率/ボラティリティ = (E[Rp] - rf) / SD[Rp])が最も大きい。

【1ファンド定理】すべての投資家は、接点ポートフォリオ(+無リスク証券)に投資すべきである。

 

ポートフォリオPに含まれる)投資iの要求収益率

𝑟𝑖 = 𝑟𝑓 + 𝛽𝑖𝑃 × (E [𝑅𝑃] − 𝑟𝑓)
𝛽𝑖𝑃 = SD [𝑅𝑖] × Corr(𝑅𝑖,𝑅𝑃) / SD[𝑅𝑃]

  • E 𝑅𝑖 > 𝑟𝑖 の場合:投資 𝑖 を増やすことにより、ポート フォリオ 𝑃 を改善できる
  • E 𝑅𝑖 < 𝑟𝑖 の場合:投資 𝑖 を減らすことにより、ポート フォリオ 𝑃 を改善できる

 

(資本資産評価モデル)CAPM

以下に主要な三つの仮定を示す。

  1. 投資家は、競争的市場価格で(税や取引費用なしに)すべての証券を売買でき、無リスク利子率で貸借できる
  2. 投資家は、期待収益率とボラティリティに関して効率的なポートフォリオを所有する
  3. 投資家は、証券のボラティリティ・相関・期待収益率について同質的予想を持つ

上記が成り立つとき、すべての投資家は同一のポートフォリオ接点ポートフォリオ)を保有し、これは市場ポートフォリオ(市場のすべてのリスク証券の時価総額の比率で構成されるポートフォリオのこと)と等しい。

資本市場線:任意のボラティリティの水準に対して達成可能な最も高い期待収益率を表す直線。

期待収益率に関するCAPM公式

E [𝑅𝑖] = 𝑟𝑓 + 𝛽𝑖 × (E [𝑅𝑀] − 𝑟𝑓) = rf + (E[RM] - rf / SD[RM])*(Corr(ri,Rm) * SD[Ri])   市場リスクプレミアム
𝛽𝑖 = SD [𝑅𝑖] × Corr(𝑅𝑖,𝑅𝑀) / SD[𝑅𝑀]
    = Cov[𝑅𝑖,𝑅𝑀] / Var[𝑅𝑀]                    ‥市場リスク

・証券 𝑖 の収益率:𝑅𝑖

・ベータ値:𝛽𝑖

・市場の収益率:𝑅𝑀

・無リスク利子率:𝑟

証券市場線:ベータ値と期待収益率の関係を表す直線。CAPMの仮定の下ではすべての個別証券が直線状になる。

ポートフォリオのベータ値:βp = Σn~i=1 wiβi

証明は省略した。