ファイナンス(9)(前半)
リアルオプション
リアルオプション:特定の事業活動において、不確実性に対応するため事後的な意思決定を行う権利のこと。
金融オプションとは異なり、市場であまり取引されない。
また、投資意思決定の際にはこの価値を正確に評価する必要がある。
決定木:将来の意思決定と不確実性への解決策を表す図のこと。
■意思決定ノード:意思決定による分岐
●情報ノード:不確実性による分岐
オプションの価値は、「オプションがある場合の期待利益-オプションがない場合の期待利益」によって求めることができる。
また、これをコールオプションとして見立てることで、ブラック・ショールズ公式の適用が可能になる。具体的な対応を以下に示す。
・株価Sと資産の現在の市場価値
・権利行使価格Kと前払いする投資額
・満期日Tと意思決定の最終時点
・無リスク利子率rfと無リスク利子率
・配当Divと延期により逸失するFCF
リアルオプションのトレードオフ問題
投資を延期することによる利益と、延期している間の損失、どちらが大きいか。
成長オプション:プロジェクトの成功が確定したら規模を拡大する。
撤退オプション:プロジェクトの失敗が判明したら中止判断を下す。
リアルオプションの教え
赤字予想のプロジェクトにも価値がある。(将来性を買う)
黒字予想のプロジェクトも今すぐに実行しなくてもよい。(来年もっとあがるかも)
延期することに価値がある。
不確実な環境の場合、リアルオプションを開発して企業価値を創出できる。