経営工学徒の備忘録

~日々の大学生活や留学について~

ファイナンス(6)(前半)

資本市場とリスク評価

収益率

株価の収益率を見るのに、いくつかの指標が存在します。

収益率:R=(1年後の株価ー現在の株価/現在の株価(確率変数)

標準偏差ボラリティ:SD[R]=√[ΣP*(R-E[R])^2]

実現収益率:Rt=(Div+Pt)/(Pt-1) -1

実現年次収益率収益率が四半期などに分割されている場合、実際に一年間当たりの収益率をこれによって求めます。これら過去の収益率データの確率分布を収益率の経験分布といい、何年かにわたって計測したものの平均を平均年次収益率といいます。

標準誤差

標準誤差とは、平均推定値の標準偏差(期待値の推定誤差)であり、

(収益率の)標準誤差÷√観察数 によって求められます。

特にこの期待収益率の95%信頼区間は、

過去の平均収益率+-(2*標準誤差)

となります。

株式ポートフォリオ

複数の投資対象を組み合わせることを、ポートフォリオといいます。

株式はそれぞれリスクを抱えており、以下の二点が代表的なものです。

  • 個別リスク:社長の交代など株式間で無関係(独立)なリスク。
  • 系統的リスク金融危機など、すべての株式で共通のリスク。

合理的な投資家は、ポートフォリオにより分散化してリスク回避を図ります。

また、リスクを補うために要求される追加収益率(無リスク利子率との差)をリスクプレミアムといいます。個別リスクにおいてはゼロです。

系統的リスクの測定には以下のモデルや値が活用されます。

  • 効率的ポートフォリオ分散化により個別リスク全に消去されポートフォリオ
  • 市場ポートフォリオ:市場の全証券(株式・債券など)で構成するポートフォリオ
  • 超過収益率 = 平均収益率 - 無リスク利子率
  • ベータ(β)値:市場全体の収益率に対する証券の収益率の感度証券の超過収益率の変化量市場ポートフォリオの超過収益率の変化量で割ることによって求められます。平均は1であり、生活必需品は1より小さく、贅沢品は1より大きくなります。

資本資産評価モデル(CAPM

その投資はハイリスクハイリターンなのか?市場全体の対価はどうなっているかということを求められます。

ri=無リスク利子率+βi×市場のリスクプレミアム

  =rf+βi×(E[RM]-rf)

  • ri:投資機会iの資本コスト
  • βi:ベータ値
  • E[RM]:市場の期待収益率
  • rf:無リスク利子率