有機化学(4)
有機ハロゲン
求核置換反応(ハロゲンが抜ける)
ハロゲンによって、上記の集荷エチルのように微妙な電子の偏りが生じることがあります。上の例では臭素の隣のCがδ+なわけですが、そこに電子リッチなアニオン(HO-)が助けに行っているイメージです。
このように、助けに行く方を求核基、脱離する方を脱離基と呼びます。式では、左右の電荷が一致するように注意しましょう。
SN2反応とSN1反応
上記の反応には、SN2とSN1の二種類があります。
SN2反応
1.求核剤と反応気質の濃度に反応速度が依存する。
一度NuとLが両側にくっついた状態を経た後、Lが離れて反応します。
2.立体が反転する。
上記のくっついて離れる家庭の中で、立体構造の開き方が左右で逆になります。それにともなって、R体からS体へと変化します。
3.反応基質の立体障害の影響を受ける。
SN1反応
1.反応速度は濃度に依存しない。
SN2反応と違い、SN1はいったん離れてからくっつくという二段階反応です。いったん離れるところが律速反応であるため、求核剤の濃度を挙げたところで速度は変化しません。
2.光学活性が消失
SN1反応では、いったん離脱してから反応が起こるため、この図のように上でも下でもどちらからでもくっつくことができます。大体S体とR体の割合が1:1になりますので、これはラセミ混合物となって光学活性を失います。
3.炭素陽イオンの安定性
おなじみにカルボカチオン安定性のお話です。電子が足りないところは、まわりに供給してくれるメチル基が多い方が安定します。