産業組織心理学(2)
なぜ産業組織は情動に着目するようになったのか?
組織行動に大きく影響しているため。
例えば、社会的知覚や他人と比較する性質といったものが挙げられます。
EmotionsとMood
このような効果を与えるものには、主にEmotionsとMoodがあります。
Emotionsの特徴
- 具体的である。
- 何秒、何分など比較的短時間。
- 顔の表情として表れやすい。
- 反応性がある。
感情は一般的に、揺らぎを持ち、様々なチャネル(経験、身体、心理、表現、認知、行動など)に帰するものとして定義されています。
感情にはネガティブなもの、ポジティブなものがあり、数直線や円を用いてその様子を表すことができます。
ex)Happiness-Surprise-Fear-Sadness-Anger-Disgust
また、状態としての感情(一時的、外的要因によってもたらされる、始まりと終わりが分かりやすい)と、特徴としての感情の二種類があります。
Moodの特徴
- 一般的で不明瞭である。
- 長く続く。
- より普遍性が高い。
- 顔の表情を伴わない。
- 認知的。
最後の反応性と認知的の話はよく分かりませんが、日本語でも「気持ち」「ムード」というと何となくその違いは伝わってきますね。
なぜ感情の状態や特徴を見極める必要があるのか?
以下の4点が重要であると考えられているためです。
- 感情は特定の感情に影響を与える。
- 起こりうる反対の方向付けが可能になる。
- 人々が感情的な処分を職場に持ち込むため。
- 状態と特徴は簡単に混同されてしまうため。
「感情労働」という概念
みなさんも一度は「頭脳労働」、「肉体労働」といった単語を聞いたことがあると思います。では、「感情労働」ではどうでしょうか?これに当てはまる職業として、キャビンアテンダントなどが挙げられます。
どういう点で当てはまるのかというと、
- Felt Emotions:実際に個人が持つ真の感情。
- Displayed emotions:与えられた仕事で適当だと思われる感情を発露する。
- Emotional Dissonance:感情不協和。感じていることと表現していることに食い違いが生まれること。
- Surface acting:感情を奥底にしまいなしで済ませること。
- Deep acting:Display Ruleにのっとって感情を修正すること。
といった点です。
看護師さんもこの感情労働的性質を備えています。例えば、患者が生理的に無理な場合でも、一緒に苦しみを理解してほしいという患者の思いに寄り添って、それらしく振舞うといった事です。
感情労働者のStorategy
メンタル的なもの:相手の好きなものを察知し、記憶しておく。
言語的なもの:誰かとしゃべり共に解決する。
身体的なもの:その人を元気づけられる料理を作るとか。
感情的なもの:ほかの人にもいい影響を与えられるように、まずは自分がHappyな思考をする。
自分自身をコントロールするには?
いくつかの方法があると考えられます。
- 身体的なもの(迷走神経反応や呼吸亢進の利用)
- 認知的なもの(昔のいい思い出で気を紛らわす)
- 行動的なもの(深呼吸など)
これらのことを行うことで、ネガティブな気持ちを減らしポジティブな気持ちを上昇させるのに成功したりします。
コントロール下での失敗は、衝動や暴力を招き、コントロール外での失敗は、がっかりとした感情を招きます。
S-RモデルとS-O-Rモデル
刺激(S)が結果(R)に直接影響していると考えるS-Rモデルと、刺激がモデレーター変数(O)によって何らかの影響を受けてから結果につながるというS-O-Rモデルの考え方があります。
SとOの間はInputSide、OとRの間はOutputSideと呼ばれ、これには個人差があります。
InputSideの個人差(接近or回避)
- Extraversion:うれしいことや報酬によってモチベートされる。
- Neuroticism:罰をさけるために頑張る。神経質。
OutputSideの個人差(その刺激にどう対処するか)
- 認識を変える。
- 環境を変える。
- 喚起するプロセス。
- 調節するプロセス。
仕事とモチベーション
従来の考え方
組織と従業員をkannrisuruには、(身体・金銭・社会的な)罰しかない!と思われていた。
科学的管理法(フレデリック・テイラー(Harvard,1911)
従来の考え方を覆したのがこの科学的管理法である。
以下のような尺度を用いて時間や動作の研究がなされた。
- タスク
- 方法
- ワークフロー
- レイアウト
- 業績水準
- マン-マシン-システム
人間の性質に対する基本的仮説とその対処
人間の性質として、以下のようなものが考えられていました。
- 怠ける
- 嘘つき
- 向上心がない
- 残虐
なかなか性悪説というか、とんでもなくマイナスな性質だとは思いますが、これに対する対処法として考えられていたのが以下です。
人間関係論
Mayor&RobThisbegerの登場で、社会心理学要因の効果が発見されました。
集団の凝集性と参加的リーダーシップが相互に作用して、職務満足と職務業績に影響を与えているというものです。
アプローチ方法はXとYの二種類が考えられています。
・X理論(権威主義)
罰を用いて人を動かすやり方。
・Y理論(人道主義・支援的アプローチ)
人はLazyなんかじゃない!自己管理できる。怠惰に見えるなら人間関係や社会の施策に問題があるんだ、という考え方。
XからYへと時代とともにシフトしてきています。
状況適合理論(Contingency Approach)
Basic tenet:すべての人に当てはまる普遍的なルールはない。
状況の特徴に応じた様々な変化のあr肩を分析し、組織内外における環境変化への対応が重要です。